生命の手記
東京都 秦野敞子

 95年4月、24歳だった娘の真弓は、バイク走行中にワゴン車にひき逃げされて亡くなった。16日後、犯人は逮捕されたが、被害者のはずの娘が「バイクが勝手に倒れ込んだ」として業務上過失致死罪は不起訴に。まさに「死人に口なし」の決定だった。
 私は、警察と地検の誤りをただすため血のにじむ思いで43000名の署名を集め、最高検に捜査の不備を認めさせたが、業務上過失致死罪の不起訴は変わらなかった。
 しかし、民事裁判での判決は全面勝訴! 裁判官は、真弓に過失は無いと認め、ひき逃げ犯の注意義務違反を厳しく指摘してくれた。
遺品の靴  真弓よ! あなたがかえってこない悲しみは消えないが、一緒に原告席に座り全面勝訴の判決を聞いた瞬間の感動と達成感を胸に、一緒に生きていこうね。

◇        ◇        ◇

 「飲酒運転で人を殺しても逃げてしまえば死人に口なし」。ひき逃げによる逃げ得は許してはならないと思い検察に訴えました。
 この6年余の闘いで法律を変えるしかないと痛切に感じました。くしくも真弓の命日の新聞で鈴木共子さんによる「交通事故量刑の厳罰化」の署名活動開始を知りその活動に参加、法務大臣への署名提出も同行し思いを訴えました。
 判決が出た10日後「生命のメッセージ展in座間」が開催され会場に行った私に参加家族の皆さんの「よかったね!」との温かい言葉に救われました。その時鈴木共子さんに「法改正はハードな訴え、生命のメッセージ展はソフトな訴え」と言われ心の中に暖かい風が吹き抜けました。
 理不尽に生命を奪われた人たちのメッセージを静かに伝えることで、真弓は新しい仲間とともに全国に生命の重みと尊さの種をまき、生き続ける。私はずーと「追っかけ」をしていこうと思っております。
 娘の死を無駄にしないためにハードの訴えである「ひき逃げ犯の厳罰化」の法改正は私の願いです。今年8月から北海道の方が開始したこの署名活動に賛同し、11月27日に第1回の5万名の署名簿を法務大臣に提出しました。
 これからも真弓とともにソフトとハードの訴えをしていきたいと思います。



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